気仙沼・大島のよい子のみなさんへ、いよいよ明日だね /ブログ/読み聞かせ劇場

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志茂田景樹-カゲキ隊長のブログ No.202 2012年2月5日 掲載分
 


気仙沼・大島のよい子のみなさんへ、
いよいよ明日だね、
隊長はいま遠足の前の日のような気持ちだよ

雪が降っているって聞いた、
今も降っているのかな、
緑の真珠とうたわれた、
みなさんの島は、
純白の真珠のように、
なっているのかな、
隊長は東京都下にある、
小金井市立第3小学校の、
第1回の卒業生なの、
同級生にレイコちゃんという子がいた、
大柄だったから、
机はうしろのほうだった、
ものしずかでね、
いつも背筋をのばして、
姿勢がよかった、
休み時間は、
いつも何かの本を読んでいた、
お父さんはものを書いている人だって、
誰が言ってたのかなあ、
そのとき、
ぼくはぴんときたんだ、
レイコちゃんの姓は水上、
購読していた「少年」という雑誌に、
毎月、水上不二という人の、
詩が載っていたの、
わかりやすいことばで、
海や、カモメや、島がよく出てきて、
愛読していたなあ、
レイコちゃんのお父さんだと思った、
次の日に「少年」を持って登校し、
その詩が載っているページを広げ、
これ、お父さんだろ、と訊いた、
レイコちゃんは黙ってうなずいただけ、
誇る気もなく、
ただ素直にうなずいたの、
きっとお父さんのことが好きなんだ、
とぼくは思った。

それから60年も経って、
被災した大島に行くことになった、
どんな島だろう、とネットをのぞいたの、
そうか、緑の真珠か、
素晴らしい島なんだ、
うなずいてからそう形容した人が、
水上不二さんだと知った、
ぼくの心臓はドッキンと高鳴った、
大島はレイコちゃんのお父さんが、
生まれたところなんだ、
人生って、
ときどき、不思議な糸に引かれて、
思いがけない縁と出会う、
その不思議な糸に引かれて、
明日みなさんと出会える、
一緒に思い出を作り、
それをずっと共有できる、
うれしくてわくわくして、
しかたがないの、
まだ津波に爪痕が残っているよね、
それはみんなのお父さんお母さんが、
よい子のみなさんの励ましに支えられ、
きっと永遠の緑の真珠にふさわしく、
さらに輝く大島にするだろう、
大島のよいこのみなさん、
そのことをずっと語り継ぎ伝えていこうね、
緑の真珠の輝きを取り戻した、
その大島にもいつか行ってみたい、
明日はみなさんと、
新しい夢を共有できる、
と強く強く信じています。

志茂田景樹-カゲキ隊長のブログ KIBA BOOK 志茂田景樹事務所
 

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