そのトキの誕生に今は何をやるべきとき(時)かの判断の大切さを /ブログ/読み聞かせ劇場

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志茂田景樹-カゲキ隊長のブログ No.213 2012年4月23日 掲載分
 

そのトキの誕生に今は何をやるべきとき(時)かの
判断の大切さを教えられる

佐渡市の放鳥トキの1カップルから、
ひなが誕生した、
佐渡にもともと生息していたトキは、
生き残りが捕獲され、
人工繁殖が試みられたものの、
2003年に、
最後の1羽が死んだ
この事実を知ったとき、
人類最後のヒトは、
どのように最期を迎えるだろうか、
と一瞬SF的世界にすべりこみ、
最後のヒトになったつもりで、
何を考え何をするかを想った、
どうして自分だけが、
生き残ったのかは解らない、
恐竜のように、
億年単位の繁栄を誇りながら、
一気に絶滅した例もある、
一気といっても、
すべて同時に絶滅したわけではない、
最後の恐竜がいたはずである、
その恐竜は自分が最後の恐竜、
と意識していただろうか、
ヒトはどうだろう、
最後のヒトななった原因が、
宇宙の異変も含め、
恐るべき天変地異によるものか、
最終究極の戦争により、
生き延びられない汚染が起こり、
戦争を生き延びた者たちも、
次々に死んでいく状況によるものか、
は知らない、
何しろ最後のヒトになった、
何を思うだろう、
何をするだろう、
こんこんと湧き出る清水を探し、
美味い水を思う存分飲み、
鈴なりになる果実を見つけ、
思う存分貪るだろうか、
自分以外を滅ぼしたものを、
恨むだろうか、
いずれもしないと思う、
自分が最後のヒトになった、
という事実も認識しないだろう、
やることはたった一つ、
寝食を忘れ、
同類を探しまわるだろう、
見つからず諦めたとき、
独りで生きようとは思わないだろう、
食欲も思考も湧かず、
ただひっそりと最期を迎える、
種の滅するときは、
そういうものだと思う、
今回生まれたトキは、
中国由来のトキの子孫である、
むろん、
誕生したトキは、
自分の運命を知らず、
この世に生を享けた、
最後のヒトが死んで、
悠久のときを経て、
新たな人類の、
最初のヒトが生まれるかもしれない、
そのヒトは自分が最初のヒトである、
ことを意識しないだろう、
ときがある限り、
万物は誕生と消滅を繰り返す、
その理を、
最後のトキの死と、
今度のトキの誕生が、
あらためて教えてくれた、
万物の長としては、
今は何をやるべきときかを、
常に考えるべきであろう。

志茂田景樹-カゲキ隊長のブログ KIBA BOOK 志茂田景樹事務所
 

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