先日のこと、夕方のウオーキングで、
ベビーカーを押した若い母親を追い越したの、
「隊長、隊長!」
声をかけられて振り返ったら、
「この子、隊長の子どもです」
と、ベビーカーのゼロ歳児を指さした、
「えっ…」
心臓がひきつって絶句したけど、
若い母親はニコニコしている、
「実は…」
わけを話してくれた、
若い母親は小学6年だった1999年の秋、
学校の体育館へきた「よい子に読み聞かせ隊」の公演を聴いた、
物語を終えて僕がこう言ったという、
「みんなもね、いつかはよい子のお父さんかお母さんになる。
そうなったらゼロ歳のときから読み聞かせをしてあげてね。
とってもよい子になるからね」
この言葉なら小学校では今もよく言っている。
「そのとき、いつか子ども生んだら、
絵本の読み聞かせをすぐ始めようと心に決めたんです」
「そういうことだったんだ」
そのときの僕の言葉を思い出して、
ゼロ歳からの読み聞かせを実行していると知って、
僕は目頭をツーンと熱くした、
僕が読み聞かせを始めたのは1998年の秋、
仲間が10人を超えて、
「よい子に読み聞かせ隊」を結成したのが1999年8月、
この8月で満13年になる、
12歳だった女の子が今は1児の母親になって、
こうして目の前にいる、
めまぐるしい時の移り変わりが生んだ、
劇的で嬉しい再会に、
僕は感動した、
「隊長の話を聞かなかったら、
こんなに早く母親にならなかったかもしれません。
だから、隊長の子です」
僕は我が子を覗きこんでから、
それまでよりも速い足取りで歩きだした、
一昨年はこんなこともあった、
友人の社長に誘われて銀座の酒場に行った、
僕の隣にきたアルバイトの子が、
「大田区の小学校に通っていたとき、
隊長がきました。象のお話をしてくれました」
アルバイトの子は大学生で19歳だという、
ブルルルルー、
と、そのときの子象の鳴き声を真似してくれた、
子どもはどんどん成長していく。
僕は相変わらずいつもよい子(悪い子はどこにもいないので)相手に、
全国で読み聞かせを行なっている、
でも、新しい出会いに感動を貰っている、
きっと、その中から感動的な再会が生まれる、
それを思うだけで胸が躍る。 |