孤高なきみたちネコ族はペット化されて本来のイヌらしくなくなったイヌ族をどう見ているだろうか

直木賞・絵本・児童書・作家|志茂田景樹のWeb絵本-読み聞かせ劇場
直木賞 絵本 児童書 作家|志茂田景樹のWeb絵本-読み聞かせ劇場直木賞 絵本 児童書 作家|志茂田景樹のWeb絵本-読み聞かせ劇場

志茂田景樹-カゲキ隊長のブログ No.223 2012年7月9日 掲載分
 

孤高なきみたちネコ族はペット化されて本来の
イヌらしくなくなったイヌ族をどう見ているだろうか

子供の頃、
我が家にはイヌもネコもいた時期があった、
けして仲がよかったわけではないが、
見事に棲み分けていた、
イヌは家の中へは上がれない、
家の中と外を土足で自由に出入りするネコを見て、
どう思っていたのだろう、
我が家のイヌは鎖でつながれ、
庭の犬小屋暮らし、
昼間庭を横切り、
縁側へ飛び上がり、
ゆうゆうと奥の座敷へ消えるネコを、
イヌがぽかんと見送っていたことがある、
階級制の厳しいイヌ族のことだから、
落ち着き払ってどこからでも出入りするネコを見て、
人間より偉いのかな、
と訝ったかもしれない、
イヌは原っぱや、
雑木林に連れていけば、
喜んで遊び相手になってくれる、
ネコは僕に一切関心を見せなかった、
しかし、
冬の寒い夜は、
断りもなしに僕の布団へ潜り込んできて、
いびきをかいて寝た、
どうも生き方が人間に依存しているより、
人間を利用している、
風を引いて咳をしていると、
うつされるのを嫌ってか、
そっと離れていく、

それから60年、
ネコは一部ペット風に飼われているが、
おおよそ昔の孤高さを維持し、
餌だけは当然の権利として、
人間に貰いながら、
見事に人間と棲み分けている、
巧みに付かず離れず、の
絶妙な距離感を心得ている、
その猫族から見て、
多様な種類が多様にペット化し、
人間に依存しているイヌ族は、
どんなふうに映るのだろう、
昔以上にイヌには関心がないのかもしれない、
10年以上前、
我が家に小型種のイヌの子が貰われてきた、
我が家にいたネコが、
猛々しく鳴き騒ぎ、
威嚇し、
見てないと飛びかからんばかりだった、
凄惨なことにならないよう、
イヌの子を別の部屋に隔離したが、
ネコはドア越しに威嚇し続けた、
危険なのでイヌの子を他家へあげたが、
ネコの猛々しい反応は、
テリトリーを守る当然の行動だったのだろう、
人間と見事に棲み分けているのではなく、
人間を召使に思っているのかな、
と僕はつかの間、本気で思った。

志茂田景樹-カゲキ隊長のブログ KIBA BOOK 志茂田景樹事務所
 

もっと詳しく読みたい方はこちらへアクセスしてね!
http://plaza.rakuten.co.jp/odata325juk/diary/

【←ふだん着ブログ一覧に戻る】
ムービー読み聞かせ絵本・書籍のご購入読み聞かせ旅日記ポプラワールド日記読み聞かせメンバーカゲキ画廊カゲキ隊長のブログ他の出版本お問い合わせ
志茂田 景樹のX (Twitter)

スクロールしてご覧下さい。

志茂田景樹のカゲキ画廊志茂田景樹 アメーバブログ カゲキ隊長のブログ
Copyright© Office Shimoda Kageki 2018 All Rights Reserved.