必要があって、自著の、 今、子どもたちに伝えるべきこと」を読みなおした、 (感動をわかちあう子育てのルール)、 という副題がついている、 この本が出て、 満10年が経ったんだなあ、 と感慨を新たにしながら、 当時と今では、 かなり状況も価値観も変化していることに、 大いに認識を改めた、 それを特に感じたのは、 子育ての落とし穴にはまっていませんか? という章の、 なにごとも一番であってほしい、と望んでいませんか、 と小見出しを打たれた項の内容だった、 (新しい父親像のヒントは、 わが子をスローに指導できて、 その成長をスローに見守るところにある〜) (上を見ない、まわりと比較しない、子どもをよく見つめて、 その子どもにあわせたペースを つくりだすことができれば、 理想的なお父さんです) 2002年の春といえば、 僕が読み聞かせを初めて、 3年半が経ち、 「よい子に読み聞かせ隊」が結成されて、 3年弱の頃、 全国で展開中の読み聞かせイベントが、 450回を超え、 年間150回前後という、 多忙期に入ったときだった、 原稿を執筆していて、 この項は父親としては、 なってなかったなあ、 と自戒の冷や汗をかきながら、 書いたものである、 僕はまったくの放任主義で、 父親失格だったから、 それを償う心理が働いたのかもしれない、 放任のなごりを残して、 スローを強調したものか、 しかし、 ゆとり教育が実施されたのは、 この年2002年度からである、 出版社は、 ゆとり教育と、 僕の読み聞かせ活動が、 響きあうのではないか、 と考え、 執筆を依頼してきたと思う、 ゆとり教育は、 長く続ければ、 学校教育上の、 壮大な実験になったかもしれない、 だが、 数年で方針の転換が行われた、 よくも悪くも、 2桁の年数をかけなければ、 結果は出ない、 ゆとり教育を受けた児童生徒は、 大いに戸惑ったろう、 そのゆとり世代が、 続々と社会に出てきた、 6,7月頃、 その新社会人が、 Twitterで、 会社を辞めたい、 と何人も相談してきた、 企業はゆとり世代を、 特別視しないから、 なかなか適合できずに、 そのうち、 出社するのが苦痛になってのことである、 やめないよう説いた、 どうしても辞めたいのなら、 1年は勤めるよう説得した、 1年勤めれば、 今の会社に向いていない、 それでもっと自分を活かせる、 会社で働きたい、 という転職理由が通用するからだった、 読み聞かせ活動を続けてきて、 ゆとり世代は、 賢い子が多い、 と感じている、 その賢さを導き出すことができたら、 閉塞感を拭える世代になれる、 と思う。
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