芥川賞・直木賞が急速に変化している、 その時代の匂いを色濃く放つ作品が、 芥川賞に多いのは、 受賞後の作家としての力量を推し量るより、 その作品に鮮烈な新味があるかどうか、 を問われるので不思議はない、 しかし、 近年、 直木賞にも作品中心主義が強く滲んでいる、 作品の内容については、 受賞パーティーに出てから触れるとして、 今季は受賞者の年齢に一驚した、 芥川賞の黒田夏子さんは、 御年75歳、 作品中心に新鋭に与えられる賞、 という認識から言えば、 ほう、 と感嘆の声が洩れる、 だいぶ前に、 森敦さんという人が、 確か63歳で受賞している、 これは例外的だろう、 と当時思った、 直木賞の朝井リョウさんの23歳、 という年齢にもびっくりした、 戦前の1940年に、 堤千代さんという女性が、 22歳という若さで受賞している、 しかし、 戦前戦中の受賞者と、 戦後の受賞者は比較しづらい、 戦後に限れば、 1959年に27歳で受賞した平岩弓枝さんが、 長いこと最年少受賞者の栄誉を保ってきた、 その記録を破るに至らなかったが、 1987年に、 山田詠美さんが、 28歳で受賞した頃から、 直木賞と芥川賞の境目が希薄になってきた、 直木賞で言えば、 2006年に、 三浦しをんさんが、 29歳で受賞したあたりから、 若年受賞の気配が濃厚になってきた、 今後、 18歳の直木賞作家が誕生しても、 おかしくない、 100歳の芥川賞受賞も、 大いにいいだろう、 今回は、 受賞パーティーで、 変化の何かを感じとれるのではないか、 それを期待して出席を決めた、 初々しい若武者、 朝井リョウさんの晴れ姿も見てみたい。
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