私は、 人の体重を一心に受けて、 大地を打つ、 痛いだろうな、 と誰が同情してくれるだろう、 痛いだろうな、 と大地さんなら解るかな、 自分も少し痛いはずだから、 雨の日も雪の日も、 濡れた大地を、 雪に埋もれた大地を、 私は打つ、 つるんとすべって、 ご主人様が尻餅を撞いた、 イテテテテテ、 このとき、 雪の底で大地が笑った、 お見通しなのかな、 私のいじわる、 でも、 もっとやんなよ、 と好意を感じた笑いに、 私は安心した、 ご主人様は、 私をこき使って、 毎日、 会社に行き、 その御蔭で給料を貰う、 私が擦り減ると、 ありがとうも言わず、 なんとかゴミで出すだけかしら、 新しい同類に、 挨拶する時間も与えずに、 大地さんは知っているよね、 ゴミに出される前に、 せめて飾り立てて、 そっと歩いて、 私に脚光を浴びさせて、 という私の思いを、 脚光という言葉は、 そのためにあるんだもの。
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