僕であって僕のものではない、 心よ、 きみはぼくのどこにいる、 頭部の断層写真を撮っても、 PET検査で精査してもらっても、 きみは見つからない、 そんなことは百も承知している、 でも、 僕の中でのきみの存在を、 はっきり見極めたい、 忘我のとき、 僕はきみの存在も忘れている、 でも、 きみがどこにいるかを考えて、 今は左胸に手を当てている、 心臓は、 ときめきを伝えてくれるけど、 きみの棲み処じゃない、 心よ、 僕の喜怒哀楽は、 きみが司っているのか、 僕が誰かに目を奪われているとき、 きみもその人に奪われているのか、 心よ、 きみは僕が行動したいとき、 ほとんどはひきとめる、 僕がためらっているとき、 行けと僕を鞭打つ、 きみは僕の味方か敵か、 死んでもついてくるのか、 僕の体を、 仮のお宿にしているだけなのか、 僕は心ない人間になリたくない、 だから、 一瞬でいい、 この左掌に現れてくれないか、 心よ、 僕の思い通りにならないことが、 もどかしいけど、、 そのきみが好きだ、 世界に唯一の心が、 僕の体のどこかにいる、 ということだから、 それだけで素晴らしいから。
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