僕は初めて読む絵本は、 いきなり、 読み聞かせの会場で行うことがあります、 その場合は、無論、 内容は読み聞かせの進行に従い、 頭に入ってきて知るわけです、 そのほうが初めて読んだ感動が、 聽いてくれている方々の心にストレートに伝わる、 そう考えるからです、 一昨日の25日、 札幌JC主催の「絆」創造プロジェクト ~絵本がつなぐ地域のキズナ~と題するイベントで、 講演もまじえ、 2つの絵本の読み聞かせくを行いました、 一つ目の「ぞうのこどもがみたゆめ」は、 自作であり、 おそらく1千数百回は読んでいるので、 常のとおりにやってリズミカルに物語れました、 2作目は「ひまわりのおか」でした、 在籍児童数の大半を津波に奪われ、 教職員も10人の方が犠牲になったところが舞台です、 そう言えばお解りの方が多いでしょう、 石巻市立大川小学校のお母さん方が、 海を見下ろせる丘に、 ひまわりの花壇を作ります、 成長して大きな花をつけたひまわりに託して、 我が子に語りかけます、 実話ですもの、 数百人を前に泣いてはいけないと思いましたが、 嗚咽号泣ををこらえるのがやっとでした、 2011年の秋、 僕はモンゴル・ウランバートルの小学校で、 知友のモンゴル人児童作家のダド・シンドクさんとともに、 4年生を対象に絵本の読み聞かせを行いました、 この小学校は日本語教育をやっています、 僕は日本語で「ぞうのこどもをみたゆめ」をやったのですが、 子どもたちが日本人の子どもに劣らぬほどに、 よく理解して聽いてくれたのには、 驚きました、 この学校の児童も含めて、 モンゴルの子どもたちが、 大川小学校の子どもたちに、 励ましの絵と手紙を描き書いてくれました、 大川小学校の悲劇は、 モンゴルでは大きく報道されたため、 子どもたちは特別に関心を寄せていました、 帰国後、 僕はその絵と手紙を、 同じ市内の別の小学校に間借りしていた、 大川小学校に届けました、 そんな経緯も思い起こされて、 泣けて何度も声をつまらせ、 ちゃんとした読み聞かせとは、 言えなくなりました、 これは独りで読んで泣く絵本かも知れない、 いささかの後悔の念も感じながら、 どうにか読み終えることができました、 JCの人が、 「お母さん方はみんな泣いていましたよ」 と、耳打ちしてくれました、 そうか、伝えたいものは、 それなりに伝えることができたんだ、 と少しほっとしました。
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