小学館が5期ぶりに黒字はメデタイが、8期連続の減収の中での快挙をどう受け取るのだろう

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志茂田景樹-カゲキ隊長のブログ No.269 2013年6月1日 掲載分
 

小学館が5期ぶりに黒字はメデタイが、
8期連続の減収の中での快挙をどう受け取るのだろう

出版界のパイの減少は、
慢性的に続いている。
一時は天敵視していた電子書籍が、
それほどの強敵にはならない、
と判断すると、
少しでも売り上げの足しにしようと、
遠い昔の既刊本まで、
大わらわで電子書籍化に励みだした。
業界大手の小学館が5期ぶりに、
黒字を記録した。
黒字に転じた、
とは言えない。
なにしろ、
8期連続で減収を記録している中での快挙で、
素直に喜べない。
黒字になった当期でも、
雑誌が前年比3・3%減、
書籍が同8・5%減で、
出版の生命線が由々しくダウンしている。
では何が好調だったのか。
広告収入が同4・5%増、
デジタル収入が同12・0%増、
映像関連が36・6%増、
などが黒字の立役者となった。
広告収入の増加は、
出版界の好不況に関係なく、
他業種の好調が、
出版媒体への出稿増加となったとみる。
デジタルも映像も、
本来の出版業ではない。
つまり、
本来の出版社としての経営は、
マイナス成長ということである、
こういう状況なのに、
小学館に限らず、
大手出版社の社員には、
特に編集部門の人には、
あまり危機感がない。
過去の蓄積が大きいせいなのか。
不思議な業界である。

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