麻布十番の道を歩いていると、 飼い主と連れ立ったペット犬とよく出会います、 僕は犬の種類に詳しくありませんが、 四肢がカモシカ以上にすらりとして、 立てば180センチはありそうな、 貴婦人のような犬にも出会いました、 飼い主が従者のように見えたものです、 そうかと思えば、 掌に乗るほどのちっちゃな体なのに、 体毛が長く、 毛むくじゃらな種もいます、 気がついたときは、 ブラシが歩いてくるようでした、 双子用のベビーカーに、 同種で着衣も同じで、 リボンの色だけ違う2匹が乗せられて、 しずしずと近づいてきたときは、 唖然としました、 これでは散歩にならないだろうに、 しかし、 我が家で犬を飼っていた時代と違い、 今のペット犬は、 そういう扱いを当たり前だ、 と思っているのかもしれません、 違和感なく乗っていましたから、 ベビーカーに乗って見る世間に、 興味深そうな視線を這わしていました、 これまでに3回すれ違った犬君がいて、 いつもその彼から元気をもらいます、 彼女かもしれませんが、 彼で通すことにします、 彼は後足が不自由です、 その後足に車輪をつけています、 前足で普通に歩けば、 後足の2輪が回転して、 スムーズに体が移動します、 初めてすれ違ったときは、 一瞬、気の毒に、 と思いました、 でも、 すぐに前をしっかり向いている、 と思いました、 生きることに喜びを感じている、 彼はそう思わせるものを、 僕に伝えてきました、 僕は元気をもらいました、 以来、 彼と出会うたびに、 素直に元気をいただいています、 と言っても、 初めての出会いの後、、 2回すれ違っただけです、 その2回とも、どうしているかなあ、彼、 と思ったときで、 それから数日後にすれ違いました、 元気をなくしたときに、 彼のことを思い出すのかもしれません。
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