マニフェストが日本に出現したのは、 いつだったろう、 それはここでは関係ない、 ただわれわれが、 まざまざと見せつけられたのは、 2009年の衆院選の直前のこと、 突如、 それはわれわれの足許から、 巨大な積乱雲が立ち上るように現れた、 マニフェストマニフェスト、 我が名はマニフェスト、 我が名を唱えれば、 集票は思いのままですぞ、 各党が唱えだした、 とりわけ盛大に、 金科玉条のように唱えたのは、 民主党だった、 結果、 同党は歴史的大勝利を収めた、 マニフェストは、 それを見てぺろりと舌を出して去った、 あとに残ったのは、 そいつが吐き出した呪文だった、 呪文は呪文に過ぎない、 唱えたって実現しない、 国民は怒った、 約束が違うではないか、 マニフェストが唱えたから、 全部、実現してくれるだろう、 と信じた、 それで、 マニフェストをいちばん多用した民主党は、 昨年暮れの衆院選で大敗を喫した、 マニフェストは(魔に)に通じる、 一元論の世界から、 舞い込んできただけだから、 腹に収めるという日本人と、 白黒をとことんまで明確にするのを嫌う、 日本の風土には合わない、 やはり、 日本人と日本には、 公約が似合う、 守っても公約、 守らなくても公約、 公約だから仕方ないか、 と腹に収められる、 公約に限る、 と各党がマニフェストに懲り、 盛んに公約を叫んだのが、 今回の参院選ではなかったか、 脱原発もマニフェストが唱えて残した呪文、 ならば封印せねば具合が悪い、 マニフェストは、 完全に死んだのであります。
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