アミメキリンの子どもがくる日、北の街の子どもたちは大きな夢を描くだろう

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志茂田景樹-カゲキ隊長のブログ No.278 2013年8月17日 掲載分
 

ユーディ・メニューインと
日本の靴磨き少年の話をご存知だろうか

ユーディ・メニューインは、
ニューヨーク生まれのバイオリニストである、
1951年に初めて来日し、
1995年の最後の来日まで、
通算5回来日した、
20世紀最大のバイオリニスト、
とうたわれた彼の生演奏を聞いた日本人は、
少なくないだろう、
戦後まもなくから、
博多駅で靴磨きをしているたかしという名の少年は、
お母さんとの2人暮らしだった、
お父さんは、
南の島で戦死した、
少年は戦時中から、
片足が鉄の義足の先生から、
バイオリンを習っていた、
先生のバイオリンを使わせてもらってのこと、
博多の街が空襲で焼けて、
先生の家も焼け、
先生は消息不明になった、
たかし少年は、
母との生活を支えるため、
靴磨きを始めた、
ある日、
メニューインの博多演奏会のポスターを見る、
生で聴けるのか、
たかしの胸は躍った、
しかし、
入場料は安い席で500円、
今のカネにしたら、
ゆうに万を超える、
たかしは食べるものも減らして、
貯金を始めた、
プレイガイドの若い女性に、
「当日までに、必ず買いにくるから、とっといてね」
と、必死に頼みこんだ、
その日、
小銭でやっと貯めた500円をポケットに、
プレイガイドを訪れると、
若い女性は、
800円のチケットをくれた、
「300円は私からのプレゼントよ」
メニューインの素晴らしい演奏に、
たかしは、
体全体が波打っているような感動を味わった、
プレイガイドの女性から、
たかしのことを聞かされたメニューインは、
博多を離れて東京へ戻る日、
使いを出して呼んでもらったたかしと、
駅頭で会った、
「きみの願いは?」
訊かれて、
感激で気持ちがうわずっていたたかしは、
何と答えたのかよく覚えていなかった、
それからしばらくして、
たかしのもとへ、
外国から小包が届いた、
中身は新品のバイオリンだった、
「日本の小さなお友だちへ。たかし君の幸運を祈る。メニューイン」
以上は滝一平著「少年とバイオリン」、
で描かれている実話です。
メニューインは。
1999年、
82歳で他界した。
たかしさんを探している人たちがいます。
その消息をご存知のかたは、
お知らせください。

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