怪物ゴールが、 いつ頃、Nサンに目をつけたのかは知らない、 日本自動車界の両雄の一雄が、 断腸の苦しみに喘いでいるのを見て、 ゴールの棲家Rノンが送り出した吸血的刺客だったのだろう、 当時のNサン経営陣が無能だったのか、 でも、血も涙もある護送船団方式的一家だった、 怪物ゴールなど招かなくても、 もっと痛みを少なくして立て直す道は、 あっただろう、 しかし、怪物ゴールは、 呵責のない整理屋手法で、 Nサンの含み資産を処分しまくった、 こんな改革ならだれでもやれるが、 日本人ならだれもがやらない、 罪ない社員に対する痛みが大きすぎるからだ、 それも大きな禍根を残す、 そうして、 いっときは業績が向上したかに見えた、 でも、それは含み資産を多く減らしての、 蜃気楼的業績だった、 Nサンの先人たちが、 営々として築いてきた資産は、 ゴールによっておしげもなく叩き売られた、 美田は作るのが大変であって、 壊すのはブル1台あれば、 瞬時でこと足りる、 こうして歳月が経ち、 Nサンはどうなったか、 かってのライバルは、 日本のガリバーになり、 Nサンはその他大勢とともに、 はるか後塵を拝している、 怪物ゴールは経営不振の責任を、 2人の副社長に負わせて解任した、 円安で日本のメーカーが、 業績を向上させている中で、 Nサンはのたうっている、 円安なのに一気に打って出る足腰がない、 その足腰を役立たなくさせたのはだれだ、 怪物ゴールは自らが帝王として支配する、 Nサンの苦しみを尻目に、 10億円弱という巨額の社長報酬を得ている、 今はそれを頼みに甘い汁を吸い続け、 いよいよ後はペンペン草が生えるのみ、 と判断したら、 棲家Rノンへ飛んで帰るだろう、 Rノンは宗主国、 Nサンは植民地、 宗主国では、 もしかしたら、 総統の地位が待っているだろう、 おれは小公園にふらりと現れた作家Kに、 そんなあらすじを伝えたのだがね、 Kには通じなかったようなのだよ、 むろん、日本語で喋れば通じたろうが、 お前、化け猫か、 とKを驚愕させたくないのでな、 おう、 ゴーン、ゴーン、とゴールが哭きだした、 不気味な初冬の昼下がりよ。
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