どっちを向いても島影が折り重なって懐の深い入江のようなこの内海のまた内海にも20年前に高潮が押し寄せた、自然の暴れようは苛烈だ

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志茂田景樹-カゲキ隊長のブログ No.293 2013年12月7日 掲載分
 

どっちを向いても島影が折り重なって
懐の深い入江のようなこの内海のまた内海にも
20年前に高潮が押し寄せた、自然の暴れようは苛烈だ


御手洗の浜の住吉神社は、
大阪の住吉神社を模して、
そのミニチュアと言っていい、
今から20年前の1993年、
台風19号によって発生した高潮が、
雪崩を打ってこの浜に押し寄せ、
神社の敷地も道路も道路沿いの家々も水攻めにした、
家々で床上浸水のところは、
家財道具を流されたところが少なくなかった、
100年に1回の高潮と言われた、
幸い避難勧告が早く出されて、
人的被害は皆無だったという、
そのせいか浜近くの豊町公民館は、
作りが頑丈だった、
聴きにきてくれた方々は、
やはり、年配の人が多く、
ミカン農家か、
ミカンの生産に関わっている人が大半だった、
人権がテーマの講演だったが、
小難しい話をしても、
昼間、ミカン畑で働いた疲れは取れない、
肩のこらない話をして大いに笑ってもらった、
温暖で空気が清浄で柑橘類や、
野菜に恵まれ、
海の幸もふんだんにある、
そういう環境で斜面の畑で働く、
長生きの島でしょう、
と訊いたら、
90過ぎでミカン畑で働く人は、
珍しくないらしい、
でも、若い人はみな島を出ていく、
ミカン畑もだんだん少なくなり、
雑木の島が多くなったという、
宿の食堂で1人飲んでいたら、
海人の藻塩のメーカーの人達が、
食堂に隣接する土産物コーナーに入ってきた、
この島で忘年会をやっての帰りらしい、
海人の藻塩を1袋いただいた、
みなさんと写真を撮った、
その後は僕独り、
これがまたいい、
そろそろ食堂も終わりなので、
部屋で飲むことにした、
海人と海へ潜る夢を見た、
どうやら僕は人ではなく、
イルカのようだった、
海人が僕の胴体を抱いてくれた。

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