酔った席で父親と政治的な議論から口論になり相容れないことが明白になり、口論しなければよかったと落ち込んでいる人のための詩

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志茂田景樹-カゲキ隊長のブログ No.304 2014年3月2日 掲載分
 

吊るし雛さん、聞いて、と子供が何かを訴えている昼下がりに、僕も訴えたくなった

吊るし雛さん、聞いて、
と子供が何かを訴えている昼下がりに、
僕も訴えたくなった


こどもまつりの催しが、
にぎやかに行われている会場に、
騒中静を求めたくて、
静かな階段を上がった、
ひっそりとした部屋に入ると、
四方の壁を吊るし雛の滝が流れていた、
いったい、
何万体あるのだろう、
無数の雛たちは流れおちない滝を演じて、
ただ静謐にしている、
でも、息吹を感じる、
7,8歳の女の子が1人、
立ち止って自分の目線の雛に見入っている、
観賞しながら、
その子の隣に行った、
その目線にあるのは、
揺りかごに入った赤ん坊の雛だった、
その子はひたすら視線を注いでいる、
そんな妹がいるのだろうか、
自分が赤ん坊のころを、
思いだしているのだろうか、
お母さんになったときのことを、
イメージしているのだろうか、
唇をほんのかすかに開いて、
不思議な微笑を浮かべている、
そっとその子の背中を通って、
通路へ出た、
窓の外は、
雪の予報崩れの氷雨が降っていた、
あの子は赤ん坊の雛に、
何を訴えていたのだろう、
突然、
その部屋から響いてきた、
甲高い笑い声に、
部屋にとって返したい思いになったが、
こらえて階段口へ歩いた。

志茂田景樹-カゲキ隊長のブログ KIBA BOOK 志茂田景樹事務所
 

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