志茂田景樹-カゲキ隊長のブログ No.313 2014年4月30日 掲載分
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そろそろ人生の岐路に立ってもいいのに、
その岐路が見えないことに
焦っている人のための詩
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岐路って確かにあるんだよ、
ただね、
こっちは近道だけど、
急坂ありとか、
この道・落石注意、
とかいった親切な表示はないし、
大体人生の岐路なんて、
目に見えるものじゃない、
そのときは、
感じとることもできないと思うよ、
後で振り返って、
ああ、あれが岐路だったんだ、
と納得する、
そういうもんだと思うの、
僕の岐路もそうだったかな、
職を転々としていた時期に、
虫垂炎をこじらせ腹膜炎を併発して、
死線をさまよった、
それを脱してメキメキ回復していったのに、
院長は退院許可をくれなかった、
後で知ったことだったけど、
ヤブ病院で、
1人退院してベッドが空くと、
お後がなかなか埋まらないので、
退院させなかったらしい、
小説を書こう、
という気持ちが起きた、
僕は文学青年じゃない、
文学青年の友がいて、
彼が半ばまで書いたショートショートの、
原稿の続きを戯れに書いた、
それを読んだ彼が、
「小説、書けるじゃないのかなあ」
と、つぶやいた、
何年も前の、
その彼の言葉が、
元気になったのに退院許可が出ない、
僕のハートを揺さぶったのだ、
入院中に書いた70枚余の短編を、
某小説誌の新人賞に送った、
それが2次予選を通過したことで、
何年かやればものになるかなあ、
と応募を継続させるやる気につながった、
実際には新人賞受賞まで6年かかったが、
それがそののちの作家人生の始まりになった、
あとで振り返って、
そっか、あれが岐路だったのか、
と納得した、
よし、これが岐路だ岐路だ、
と病室で意識して原稿を書いたわけではない、
岐路はそうと気づかぬままに差しかかり、
すっと行くべき道に踏み入る、
きっと貴方にとっての岐路も、
そうだと思う、
岐ょ路岐ょ路しないで、
今やるべきことをやっていれば、
知らぬ間に、
岐路で正しい選択をしているはずだ。 |
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