今春大学へ進む方でこれで人生の最大の難関をクリアしたと考えそうな人のための詩

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志茂田景樹-カゲキ隊長のブログ No.349 2015年1月20日 掲載分
 

今春大学へ進む方でこれで人生の最大の難関を
クリアしたと考えそうな人のための詩


まだこんなテーマは、
早過ぎるかもしれない、
まだ殆どは進学大学が決まっていないはずだし、
志望校に入らなければ、
浪人するつもりの人も多いだろう、
進学しても志望校でないということで、
気落ちする人も大勢出てこよう、
でも、首尾よく志望校に入った、
という前提のもとで話をさせていただく、
僕の母校の高校の最終学年時のクラスに、
T大に入学したのが2人いた、
2人とも1浪だった、
母校はそこそこの進学校で、
T大合格者がいつも二桁いたが、
その多くは浪人の合格だった、
2浪は特別の事情でもない限り、
まずいなかったから、
1浪の連中の進学が決まった時点で、
クラス会をやったの、
むろん、T大組2人は意気揚々と現れた、
宴たけなわの頃ね、
その1人のAが肩の荷を下ろしたように、
「これで終わったよ、人生の大目的がね」
と、言ったのよ、
「えっ、これからじゃないか」
ほんとうに彼はすべてが終わった、
という表情だった、
それも疲れはてたね、
少し話をして、
A のお父さんはT大出身者で、
T大合格は、T家の至上命令だったことが解った、
子どものときからT大合格を義務づけられていたので、
彼にとっては、
それが人生最大の目的になっていたのである、
もう!人のT大組のBにも事情があった、
彼は中学3年間を通して、
常に学年トップの性格だった、
先生たちに嘱望された、
ただ彼の出身中学は、
母校の学区ないの中学では、
いちばんレベルが低かった、
高校1年次、
彼の成績は、
トップグループに辛うじて入るものだった、
学年で30番前後、
彼は鼻をへし折られた思いだったろう、
彼はガリ勉の猛者になった、
3年次、クラスではAに次ぐ成績だった、
担任はT大ではない一流国立大の受験をすすめた、
彼は断りT大を受けた、
そのときは落ちたが、
!浪して合格した、
「これで中学の先生に会いにいける」
Bはニンマリ笑って呟いた、
その後、彼ら2人がクラス会へ出てきたことはない、
Bは風の便りに関西方面で、
新聞の拡張員をやっていると聞いた、
Aの消息は風の便りにさえ伝わってこなかった、
昨年5月のクラス会では、
誰もAとBの名さえ口にしなかった、
話はそれだけだ、
もう何も言わない、
ただ1つ言うならば、
大学に進学しただけでは、
まだ何も始まっていないということだ。

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