認知症の親が徐々に症状が進んでいくことに我が身が削られるようなおののきを覚えている人のための詩

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志茂田景樹-カゲキ隊長のブログ No.352 2015年2月16日 掲載分
 

認知症の親が徐々に症状が進んでいくことに
我が身が削られるようなおののきを
覚えている人のための詩


お母さんが認知症で、
末っ子の貴方は、
1週間に1,2度、実家へ会いにいってるんだ、
お母さんの面倒は、
お兄さん夫婦が見ているので申し訳ない、
と思っているって、
優しいんだね、
お兄さんたちにも気を遣って、
お母さんはまだ貴方のことを認知できるのかな、
ああまだちゃんと解るんだ、
笑って、
よくきたね、
と喜んでくれるんだ、
でも、
一昨日会いにいったばかりなのに、
3年ぶりだねえ、
と言われたり、
ときおり、
貴方を訝った表情で見るのか、
つかの間、
この人誰かしら、
と思うのかも、
でも、今はまだいいよ、
そのうち貴方を貴方と認知できなくなる、
それが怖いんだね、
そう遠くない将来に必ず起こることなんだから、
前向きに受け入れようよ、
世界で認知症の患者は急増しており、
その数は約5千万人と言われているんだ、
もしかしたら、
貴方は認知症になったら、
いずれ何も解らなくなるから、
とても悲惨なことだと思っていないだろうか、
それはね、
お母さんに失礼なことかもしれない、
お母さんは新しい世界を新たに知るということで、
その人生は続いていくんだよ、
それをずしりと重く感じてほしい、
貴方や、
お兄さんたちが、
認知症のお母さんを痛ましい、
という目で見ると、
逆に社会から自分達を孤立させることになる、
僕はグループホームを慰問したことがある、
職員に見守られたり、
助けられながら食事の後かたづけをしたり、
雰囲気はびっくりするほど明るかった、
見舞いにきた家族を、
家族と認知できなくても、
仲よく楽しく歌っている、
肉親との新しい関係なんだね、
そうか、
お母さん、
来月からグループホームの利用者になるのか、
実家から歩いて10分のところだって、
じゃ、今までどおり、
週に1,2度、
お母さんに会いにいける、
どうか、
楽しい新しい母子関係を築いてほしい。

志茂田景樹-カゲキ隊長のブログ KIBA BOOK 志茂田景樹事務所
 

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