志茂田景樹-カゲキ隊長のブログ No.368 2015年6月12日 掲載分
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MM商品は好調でも「(市場は)底が抜けてしまったように感じる」とトーハンK専務の恐ろしい慨嘆に聞くほうも怖くなる。 |
出版業界の2大取次は日トーハン。
つまり、日販とトーハンだ。
かって長らく東日販と通称された。
東京出版販売がトーハンと社名変更されてからは、
トー日販、と。
年商が日販に抜かれてからは日トーハン、
と通称されるようになった。
つまり、書籍取次の首位は、
日販ということになる。
いつピリオドになるか先が見えない出版不況をもろに反映して、
日トーハンは共に年商額を減らし続けてきた。
先頃、発表されたトーハンの決算を見ると、
昨年度の売上高は4809億1900万円で、
前年比2・4%減である。
出版取次だから扱い商品は、
雑誌、書籍、コミック、ということになる。
雑誌、書籍の落ち込みは悲観的で、
決算説明に当たったK専務は、
「(市場は)底が抜けてしまったように感じる」
と、大いに嘆いてみせた。
出版業界はこれまで幾つ底が抜けてきただろう。
1番底、2番底、3番底…うーん、
これ以上、底が抜けたら後は奈落である。
トーハンの売上高の内訳を見るとコミックがわずかに持ち直し
568億9700万円で、前年比2100万円増になっているが、
雀の涙ほどである。
雑誌の落ち込みと比較すればよく解る。
売り上げ1799億2900万円で、
何と前年比109億円減である。
惨憺たる状況の中でMM商品はコミックの売上を超え、
618億4500万円で、
前年比31億9100万円増である。
MM商品とはなにか?
もうずいぶん前から書店に行くと、
書籍、雑誌、コミック以外の商品を売っている。
えっ、こんなものまで書店で売るの、
と驚かれた方もいるだろう。
書籍関連グッズも含めて、
いわゆるマルチメディア商品をMM商品と称している。
書店がどんどん変わっていく。
子供の頃、僕は書店のハエだった。
書店の親爺にハタキをで肩をはたかれ、
いったんは外に飛び出したが、
親爺が奥へ引っ込めば、
また戻って本にたかった。
遠い追憶の世界になったが、
10年後、書店は本の売り場より、
MM商品の売り場のほうが広くなっているかもしれない。
超高齢化社会を反映して紙おむつも売られているのではないか。
書店の未来図がどんなになるのか、
まったくイメージできない。 |
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