志茂田景樹-カゲキ隊長のブログ No.393 2015年12月11日 掲載分
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障害者の相談員をしているが、質より量を求める事業所の方針に反発して情熱をなくしかけている人のための詩 |
貴方は共稼ぎの30代前半の女性だけど、
なぜ障害者の相談員になったの?
そうか、東北の実家のお祖母ちゃんが介護を受けていて、
介護という仕事の重要性を認識するようになったんだ。
それに自分も高齢になったら介護を受けなければならない
身の上になるかもしれない。
つまり、他人事ではないという思いもあった。
それで最初はヘルパーの資格を取り、
それから平成25年4月に施行された障害者総合支援法にもとづいて
計画相談支援を行う相談支援専門員になったということだね。
それで貴方の勤務先は計画相談支援を行っている
特定非営利活動法人の某事業所か。
何か一般にはなじまない言葉ばかりが出てくるけれど、
計画相談支援は計画相談、相談支援専門員は相談員と略称していいんだね、
相談員としての貴方の仕事内容は、
障害者に対する障害福祉サービスの利用
の相談に乗り、
その計画の作成をし、それにもとづいてモニタリングを行うことなどか。
そうすることで障害者(児)の自立した生活を支え、
適切なサービスを利用で
きるよう支援する、
ということかな。
大体理解できたけれど、もっと簡単に言えば、
こういうサービスがありますが、
どうですかと提案して、その計画を作成する。
区役所などの担当部署がそれをもとにして支給を決定したら、
モニタリングを行って状態を把握し、
次の計画作成に反映いさせるということだろう。
なかなか難しいところのある仕事のようだね。
Q それで、貴方は何人の障害者を受け持っているの?
A 22人です。そのうち精神障害者が18人です。
Q ほう、精神障害者の割合が多いね。
A 他の相談員の利用者数の割合も似たようなものです。
Q 22人という数は多いの?
A 考え方にもよります。私がモニタリングしている人に、
21歳の男性の双極性障害者がいるんですが、いつ行っても留守なんです。
両親のうち母親は昼間働いていて夜も水商売の店で働いています。
父親は殆ど帰ってこない。家族から必要な話を聞くことも困難な状態です。
彼は本好きで図書館にいることが多いんです。
パチンコ屋や、ゲームセンターにも行きます。
心当たりを探しまわってやっと見つけてもあまり会話をしたがらない。
濃い関係を作ろうと思うんですが、なかなか大変です。
モニタリングは半年でいいという人もいますが、
彼のような場合は1月に1回ぐらいやらないと、
心を開いてくれないし、効果的な計画作成ができないんです。
そうか、貴方のように使命感、責任感が強くて、
利用者のためを思うと10人が限界だということだね。
いずれにしろ、事業所にとって採算が取りづらいサービスなので、
事業所は質より量でいきたいのがホンネかな。
他のサービスで埋めてやっと採算を取っている事業所も多いんだろう。
貴方はそれでも今の仕事は絶対辞めたくないというんだね。
解るよ、貴方がこの仕事にかけている思いのほどは。
じゃ、歯を食いしばって頑張ろうか。
22人を完全にカバーしてあげてほしい。
酷なことを言うようだがね、
このサービスは社会が必要としているから、
これから徐々に見直されて改善されていくだろう。
その社会が今必要としているのは貴方のような人なんだ。
だから、やり抜いてほしい。
見る人はみんな見ているよ。 |
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