東京都高等学校家庭クラブ研究発表会にご来場頂きましてありがとうございました。
本日の研究発表会は、東京都立晴海総合高等学校の講堂をお借りしての会となりました。 本連盟は、加盟する高校で成り立つ組織で、生徒が代表を務めています。
志茂田先生には、親組織である全国高等学校家庭クラブ連盟が編集協力をしています、「FHJ」という機関誌にご執筆をお願いしましたきっかけから、先生が行われている「よい子に読み聞かせ隊」の活動について知りたいという声が、沢山あがったことから、本発表会の基調講演としてご講演のお願いをさせて頂きました。年末のお忙しい時期にもかかわらず、こころよくお引き受けいただけましたこと、心よりお礼申し上げます。
12月に入り、特に寒い日でしたが、会場入りされる先生を,生徒と駅にお迎えに上がり、晴海高校に向かう間、近くの公園の紅葉した木々に「きれいな色ですね」とおっしゃった先生の言葉に、改めてきれいなものがきれいといえることの当たり前さを、日々の生活で忙殺されていた自分に気付かされました。
会場入りされ、家庭クラブ全国生徒会長を努める,七ツ役幸菜さんからの、全国高校生対抗「 ごはん DE 笑顔 プロジェクト選手権」の報告と、その際に見学で訪れた宮城県石巻市の写真などの報告後、ご講演を頂きました。壇上に上がられた先生は、「机とかが嫌いでね・・・」とおっしゃり、演台を隅に押してのスタート。「せっかく頭の先から足の先までおしゃれをしてきたのに、見えなくなってしまうからね〜」と、みるみるうちに、会場にいた高校生や顧問教師達は、志茂田先生景樹ワールドに引き込まれていきました。
KIBA BOOKの立ち上げから、通算1509回にも渡る「よい子に読み聞かせ隊」の活動の取り組みなどのお話、先生の髪の毛の色のお話や、被災地の避難所を回っての読み聞かせや、ウランバートルやモンゴルなど海外での読み聞かせのお話など、大変興味深いお話しをしてくださいました。なかでも、被災地の避難所や県を越えての避難所での話には、改めて心を痛めました。私自身、叔父叔母が被災し、行方がわからぬ数日間、いてもたってもいられなかった気持ち、夏休みに被災地に行き、現地の子ども達との交流会に参加したこと等々、走馬燈のように頭の中を駆け巡りました。海のないモンゴルの子ども達から被災地の小学校に向けた手紙や絵のお話も、「子ども達の心のPDSD(心的外傷後ストレス障害)の子ども達や教師にとって受け入れられないものがあり、他のものは大丈夫ですが津波の絵は今は見せられない」「子どもも先生もみんな被災者なんです」とおっしゃっていた言葉が印象的でした。いつの日かモンゴルの子ども達の書いた手紙や絵をみて、語り合える日が来ることを、私自身も待ち望んでいます。
また被災した子ども達とのやりとりの中から、「読み聞かせは心の癒やしにはなるけれど、奥底にある不安や恐怖を取り除くまでには至らず、限界を感じています。しかし、少しでも癒やしになれば、新たな希望の手がかり足がかりになるのであれば、これからも活動を続けていきたい強い強い意識が生まれてきたところです」とおっしゃる先生の強いお言葉に、信念を感じました。
そして最後にウランバートルの小学校で読み聞かせをされたという「ぞうのこどもがみたゆめ」で「皆さんは今、アフリカの草原にいます・・・」から始まった読み聞かせでは、絵など視覚的な情報は何もないのにも関わらず、先生のぞうの鳴き声や身振り手振りを交えた読み聞かせで、目の前がいきなりキリンや象が群れる、アフリカの草原の景色が空想の中で広がっていきました。お話の内容も、改めて親子の絆を感じさせられる内容で、家庭クラブがモットーとしている、「創造・勤労・愛情・奉仕」の基本精神にぴったりの内容でした。おかげさまで、その後の発表会もとても有意義に進めることができました。
多感な高校生の時期に志茂田先生にご講演を通して出会えた生徒達はとても貴重な出会いをしたと思います。本会に参加した生徒がそれぞれの学校にすてきな経験を持ち帰り、様々な活動として花開いてほしいものと願っております。折しも、TVでは、今年の出来事として、3.11の東日本大震災の様子が流れています。 今年の漢字も「絆」と発表されました。改めて、先生のご講演から人と人との「絆」について考えてみたいと思います。今後も先生はじめ、「よい子に読み聞かせ隊」の活動が、ますますご発展されますことを心より願っております。貴重な機会を頂きまして、本当にありがとうございました。
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