東京都 小金井市 貫井南町キリスト教会 編｜読み聞かせ旅日記｜志茂田景樹のWeb絵本-読み聞かせ劇場｜しもだ-かげき｜直木賞-児童書-作家

４年前のクリスマスのことです。志茂田景樹先生の奥様、光子先生が「女性のためのクリスマス会」の講師としてお見えくださり、心に沁みる感動的なお話をしてくださいました。その中で、今はご夫妻で読み聞かせ活動をなさり、全国を回っていらっしゃるということを知りました。その時から、いつかぜひ私たちの教会でもご夫妻をお招きして読み聞かせの会をしたいと強く願っておりました。そして、とうとうその願いが叶う日がやってきました。１１月１０日は、午前中は、教会で子ども祝福式が行われました。午後には、次代を担うかわいい子どもたちとご両親に志茂田景樹先生ご夫妻による読み聞かせに触れてほしいと祈り備えていました。その時が、いよいよやってきたのです。　光子先生の運転するお車で教会の庭に降り立った景樹先生は、テレビで拝見するよりもさらにお背が高くスレンダーでした。黒いタイツに赤いショートパンツ、お足元は美しいブルーのスニーカーという景樹先生ならではのおしゃれないでたちです。１時間ほど、事務室でサンケイリビングさんの取材が行われ、午後２時からいよいよ「親子読み聞かせの会」が始まりました。先生は早速メンバーを紹介してくださいました。ピアノ演奏は蓑毛富子さん。隊長の景樹先生。マネージャーの下田光子先生。景樹先生は、光子先生を紹介した後、子どもたちに、「実は、僕のカミさんなの。カミさんて意味わかる？あ、笑ってるってことはわかってるね。」と優しいまなざしでユーモアいっぱいに語られました。前列の子どもたちはすでに心がほぐされてニコニコしています。 　この日の読み聞かせは、景樹先生作の絵本「ぞうのこどもがみたゆめ」「まんねんくじら」「ぽんちとちりん」の３冊でした。３冊とも先生の人生観や深いメッセージが込められた素晴らしい作品でした。作者である景樹先生ご自身が思いを込めて語ってくださるのですから、それはそれは感動深いものでした。スクリーンに映し出された絵本の映像に合わせて、読むというよりも全身のパフォーマンスで語られるダイナミックな表現でした。物語に合わせて演奏される蓑毛富子さんのピアノは、ドラマティックで多彩。感動を一層盛り上げてくれました。私は中でも「ぞうのこどもがみたゆめ」が一番心を打たれました。涙がこみあげてたまりませんでした。読み聞かせの間に語られるお話も、本当に心に響く語りで、子どもだけでなく、大人も引き込まれずにはいられませんでした。くじらのことが話題になって「世界で一番大きいくじらは、なんていうくじらか知ってる？」という先生の質問に、男の子が「しろながすくじら！」と答えました。 先生は「そのとおり、ボクよく知ってるね！」と褒めてくださり、答えた男の子はとっても誇らしげでした。 こんなふうに子どもとのやりとりが、とても自然体で、なごんだ雰囲気にしてくださることが素晴らしいと思いました。

読み聞かせのあとも、サインや写真に快く応じてくださり、心温まるひとときでした。参加された子どもたちもお父さんやお母さんも口々に「良かった！」「感動した！」と、感謝の言葉を残して帰られました。全身全霊で強く深いお声で語ってくださった景樹先生。どんなにかお疲れになるでしょうに・・と思ったのですが、帰りには歩いて帰るとおっしゃって、フットワークも軽やかに、白いマフラーを風になびかせて立ち去られたのでした。あの少年のような純粋なエネルギーはどこからくるのでしょうか。景樹先生の才能と個性を深く理解されて、読み聞かせ隊の活動を献身的に支えていらっしゃる光子先生のお働きに改めて感動と感謝でいっぱいになりました。この活動がさらに広がって、多くの子どもたちに幸せを届けられますようにと祈らずにはいられません。この度は本当にありがとうございました。心から感謝申し上げます。