東京都 八王子市 八王子市川口地区市民センター体育館 編|読み聞かせ旅日記|志茂田景樹のWeb絵本-読み聞かせ劇場|しもだ-かげき|直木賞-児童書-作家
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絵本 読み聞かせ旅日記 No.330
日付
2014年3月2日(日)
旅先
東京都 八王子市
会場
八王子市川口地区市民センター体育館
著者
志茂田景樹隊長
こどもまつりのつるし雛
八王子には読み聞かせや、講演で10数回は訪れています。遊びでも随分訪れているはずです。僕は都立国立高校を卒業していますが、当時の学区は、山梨県と隣接する多摩地方の中心地の八王子市や、神奈川県と境を接する町田市も含んだ広大なもので、入学時の同級生のうちにはチャンチャンコで通学してくる者もいて度肝を抜かれたものでした。まだ奥多摩や、西多摩にはシカが沢山いて、ツキノワグマもチョイチョイ出没していた頃でしたもの。八王子市は、今はみな市に編入されましたが、当時はいくつかの村と境を接していました。部活の先輩にその村の1つである恩方村から通っている人がいました。その家へ遊びに行きましたが、JR八王子駅からバスに乗って指定された停留所で降りたときは途方に暮れました。何しろ田畑の広がりの中に雑木林が挟まれて、それに沿って蛇行した草深い道が延びていました。その果てるところに低い山並みがありました。トボトボ歩いていくと、自転車がこっちへ走ってきました。先輩が迎えにきてくれたと解ったときはほっとしました。先輩のお母さんが焼き饅頭を作つてくれました。甘みは薄かったですが、実に香ばしくて3つぐらい食べたのかなあ。庭先に清水が流れていて縁石に青いアマガエルがいました。先輩の家族に引き止められたのですが、武蔵野市の自宅まで帰るのが遥かな道のりのような気がして心細くなり、おいとまをしましました。先輩が自転車の荷台に僕を乗せて停留所まで送ってくれました。すでに夕焼けが始まっていましたね。心細さを募らせている僕の背中を叩くように、背後の低い山並みから鐘の音が響き渡ってきました。「あれ、夕焼小焼の歌に出てくるだろ。山のお寺の鐘が鳴る、のモデルになった寺で鳴らしてるんだ」先輩の言葉を聞いたとたん、鐘の音が僕の心をダイレクトに揺さぶってきました。そんな思い出も含めて、八王子は僕にはゆかりの深い地です。一昨年も読書週間に八王子市立図書館に招かれて記念講演を行っています。
ところで、今回は八王子市の川口地区のこどもまつりに呼ばれて読み聞かせ&講演を行いました。川口地区も昔は川口村で田畑と原野でしたが、今は典型的な住宅都市です。当日は冷たい雨がそぼ降っていましたが、会場の川口地区市民センターは、老若男女の明るい声が飛び交って元気印そのものでした。東北復興応援物産店が出ていて、地元川口の物産を中心に廉価で売っていました。餅搗きも行われていて、昼食をすませてきたのに、搗きたての餅を振る舞われました。1ついただきましたが、旨かったなあ。昼食をとる前だったら4つは食べていたでしょうね。つるし雛が飾られていると聞いて、すぐに見にいきました。壮観でした。地域の人がそれぞれに丹精を込めたつるし雛が、歩いただけで微かに揺れました。僕は東伊豆の宇佐美の生まれですが、もっと南の稲取に行くとつるし雛の発祥地になります。地元では、ツルシと呼んでいましたね。稲取の民宿へどんど焼きの時期に泊まったことがありますが、前年のツルシをどんど焼きで焼く習わしでしたね。どんどん焼かれてもったいないなあと思うより、可哀想に思いました。それで焼いた餅をいただき、ふうふう言いながら笑って食べたんですから、人って移り気もいいところです。ああ、読み聞かせ&講演ですか。体育館に集まった200人を超える老若男女に喜んでいただきました。甘い餅のお陰で臍下丹田に力が入り、いつも以上に迫力がありましたしね。今の八王子市は人口58万人余。大学は23大学、小学校は70校です。小さな県並みの規模を誇っています。観光名所旧跡も数多いので、1度、訪れてみませんか。
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