青ラルジュSAKURA会
新規事業説明会記念講演
「どうしたら諦めないですむか」
タクシーで空港から鹿児島市内に入ったか入らない頃、ボーンと底響く音が伝わってきました。「桜島の爆発かな」独り言のようにつぶやくと、運転手さんが、「今日はこれで5回目か6回目だったかな」と、応じてくれました。鹿児島へは10数回きており、そのうちの半数は鹿児島市でした。今回は桜島の火山活動が活発な時期の訪問になりましたが、もう10年も前でしょうか、やはり、講演で鹿児島市を訪れ、講演終了後、城山国際ホテルに泊まりました。部屋のベランダからは桜島が一望できます。夜に入って間もなくのこと、ドーンと濁った音がして火口の辺りが一瞬赤い閃光に染まりました。直後に夜のとばりを突き上げて噴煙が上がりました。そのときも活動期だったのですね。翌日、ホテルからタクシーで空港に向かいましたが、市内は降灰で大変でした。いたるところで車が止まり、ドライバーの方がフロントガラスをブラシで磨いていました。バスはもっと大変です。運転手さんは、長い柄のブラシでフロントガラスの高い部分を、必死の形相で磨いていました。火山灰は細かくて粘着力が強く、ガラスなどにくっつくと始末におえないそうです。市民はハンデを負わされるなあ、と同情したものです。そのときのことを思い出しながら、「降灰はどうですか?」と訊くと、運転手さんは、「今の時期は風向きが海のほうへ行ってますから、鹿児島市内は大丈夫です。6,7月だったら大変だったですよ」と、ちらっと桜島に目をやりながら言いました。薄い灰色の噴煙が固まるように上がっており、上部は風で崩れかけていました。 |