梅雨空の下、私達3人(志茂田隊長、ヴァイオリンの山内さん、私)は東京を出発しました。赤城に近づく頃には雲も切れて太陽が顔を覗かせるようになりました。ここは周りを赤城山や榛名山に囲まれていると聞きましたが、残念ながらそれを見ることは出来ませんでした。
少し早めに赤城に着いてしまった私達は、まだ学校での読み聞かせに時間がありましたので、「空気もいいし、ちょっとドライブしよう」という隊長の提案で、気の向くままに車を走らせました。このあたりでは、あちらこちらで『ブルーベリー摘み取り』の旗が立っています。それに惹かれてひとつの農園に車をとめました。
私達3人にかごが手渡され、摘んだものはいくらでも食べていいとのこと、そしてあまったものはkgで買っていくことなどを聞いてから、いざ摘み取りです。とてもみごとなブルーベリーで、しかも無農薬なので摘んだらそのまま食べられるのです。口に入れるとすばらしい甘さが口の中に広がりました。山内さんは毛虫に触れてしまったとのことで、ちょっとびっくりしていましたが、なにせ農薬を使っていないので、毛虫もゆうゆうと葉っぱを食べているようです。私達もたくさんブルーベリーを食べて楽しんだので、学校へと向かいました。
学校に到着したらびっくりしてしまいました。1時間も前に着いてしまったのに、道に先生が立って私達の来るのを待っていて下さっているのです。学校の校庭に入ると、PTA役員の皆々様が全員出てきてくださってのお出迎え。なんとも感動しました。
校長室でPTAの皆々様と先生の方々に地域のお話を伺って、またびっくりです。こちらは75名で全校生徒だそうです。南雲の里には、県指定の天然記念物のヒメギフチョウがわずかに生息しており、皆で大事に守っているとのことです。ホタルも今頃の夜にはたくさん見られるとのこと、なんというすばらしいところで子供達は育っているんだろうと、うらやましくなりました。
読み聞かせ講演会には地域の方々もたくさんお見えになり、小さな町ですが子供と親御さん達が一体となり、学校そして家庭、地域での教育に力をあわせている様子がうかがわれました。今でもこんな良いところが残っているのだと思い、とても感動しました。
90分の講演・読み聞かせですが、こちらの純粋な子供達はすぐに物語の中に入り込んで、長い長い時間を飽きずに聞き入ってくれました。
読み聞かせボランティアのお母さんの方々が、この子供達に何年も読み聞かせを続けてきてくださったものが、今みのっているのだということが私達にも伝わってきました。
帰りには地元で採れた野菜をたくさんいただき、東京へと戻ってきました。 |